福岡の研究会では、廃棄物削減の鍵がデータであることを明らかにしました。福岡市では、家庭や企業から約57万トンのゴミが出ています。そのうち、生ごみ(食品廃棄物)が家庭から30%、企業から20%を占めています。また、福岡市は2009年を基準に、2025年までに家庭ごみを1.6万トン、事業所ごみを9.7万トンに削減するという目標を掲げています。しかし、同市の人口や観光客は予測を上回るペースで増え続けており、廃棄物削減量は2009年からほぼ横ばいの状態が続いています。
そこで、URC(福岡都市圏研究センター)では、より削減が必要な業務用食品廃棄物に着目し、「情報管理」と「技術」による排出削減と分別促進の施策を検討しています。これまで一般産業廃棄物に関するデータは、一部がアナログだったり、個別に管理されていましたが、クラウドシステムを活用することで、正確なデータの共有や事務作業の軽減、廃棄物発生量の可視化などを図っています。

この活動の中心となるのが、URCが調査・事務局を務める「福岡市における事業系生ごみのリサイクル促進のためのIT導入に関する研究会」です。この研究会は、小売店、レストラン、ホテルなどの廃棄物発生者、食品廃棄物の回収・加工業者、情報システム開発者、廃棄物や情報システムの専門家、行政関係者など、産学官の関係者で構成されています。
その結果、廃棄物データシステムを導入してこそ、廃棄物を効果的に測定し、管理することができるという結論に達しました。福岡をはじめとする日本の都市が廃棄物の削減とリサイクルの目標を達成するためには、データと鍵が重要になります。出典 【シリーズ】生ごみ×情報システム|福岡アジア都市研究所(urc.or.jp) 廃棄物の収集と物流、廃棄物の生産と消費は、しばしば一致していません。